血糖値とは

血糖値とは、血液中に含まれるブドウ糖(グルコース)の濃度のことです。食事から身体の中に消化吸収されたブドウ糖が血液にはいります。このため血糖値は健康な人でも食前と食後で変化します。

糖尿病とは

糖尿病とは、インスリンの作用不足によって血中のグルコース濃度が上昇し慢性の高血糖状態が持続する症候群と定義されます。インスリンは膵臓β細胞から分泌されるホルモンであり、血糖値を低下させる作用があります。インスリンの作用不足は大きく分けて、①膵臓β細胞でのインスリン分泌の低下と、②肥満や肝障害などによってインスリンが効きにくくなる状態(インスリン抵抗性)とがあります。

糖尿病の病型分類

糖尿病は大きく、①1型糖尿病、②2型糖尿病、③その他の特定の機序、疾患によるものに分けられます。1型糖尿病は主に自己免疫を基礎にした膵臓β細胞破壊によって起こります。2型糖尿病は、インスリン分泌低下やインスリン抵抗性を引き起こす遺伝因子に、過食や運動不足などの環境因子が加わることで引き起こされます。

糖尿病の診断基準

①空腹時血糖値≧126mg/dl、75gOGTT2時間値≧200mg/dl、随時血糖値≧200mg/dlのいずれか(静脈血漿値)が、別の日に行った検査で2回以上確認できれば糖尿病と診断します。 血糖値がこれらの基準値を超えても1回だけの場合は糖尿病型となります。

②糖尿病型を示し、かつ次のいずれかの条件がみたされた場合は、1回だけの検査でも糖尿病と診断できます。
・糖尿病の典型的症状(口渇、多飲、多尿、体重減少)の存在
・HbA1c≧6.5%
・確実な糖尿病網膜症の存在

糖尿病の合併症

糖尿病の恐ろしいところは、自覚症状のないままに重篤な合併症が進展するところです。糖尿病となり高血糖が慢性的に続くと、血管が傷ついて動脈硬化を引き起こし、微小な血管の障害である網膜症・腎症・神経障害などの三大合併症のほか、心臓病や脳卒中のリスクも高まります。

糖尿病の治療

病気の状態により治療内容は異なりますが、食生活・運動習慣などの生活習慣の改善や、場合によっては内服薬などによる治療が必要です。
当院では生活習慣の改善(減量、節酒、運動など)のための具体的な取り組みなども一緒に考えて、個々の患者様に合った治療方針を検討します。
血糖値の異常でご不安に感じていらっしゃる方は、お気軽に当院へご相談ください。

【参考】
1次予防:生活習慣の改善によって糖尿病を発症する手前で防ぐこと
2次予防:糖尿病を発症しても生活習慣の改善と投薬治療により、良好な血糖コントロールを行い、健康に生活する
3次予防:糖尿病の合併症の発症を防ぐ