一定の距離や時間歩くと、ふくらはぎにうずくような痛みやしびれ・疲労感などの症状が現れ歩くことがだんだん難しくなり、しばらく休むと治まりまた歩けるようになるものの、また歩き続けると再び痛み出す。このような症状を間欠性跛行(かんけつせいはこう)といいます。こんな症状でお困りの方はいませんか?
間欠性跛行の原因
「血管性」と「神経性」の2種類の疾患が疑われます。
動脈硬化により血管に十分な血液を送ることができなくなり起こる「閉塞性動脈硬化症」と、脊柱管(背骨に囲まれた管状の空間)内の神経圧迫による「腰部脊柱管狭窄症」が原因となる疾患として挙げられます。 まれに、両者を合併している場合もあります。
閉塞性動脈硬化症とは、下肢の血流障害を指します。骨盤から脚にかけての血管内で血栓が詰まり、酸素が足に供給されなくなる病気です。また、血管性の場合、喫煙を主な原因として30-40代に多いバージャー病が原因であることもあります。
脊柱管狭窄症は、背骨の変形や人体の肥厚により、脊髄神経の通り道が狭くなり神経が圧迫される病気です。基本的に加齢が原因であることが多く、平均年齢は60歳以上の高齢の方になります。
閉塞性動脈硬化症 | 脊柱管狭窄症 |
ふくらはぎに疼痛があり冷感も伴う 片足に症状出現することが多い 糖尿病など生活習慣病の合併が多い | 臀部から下肢全体に疼痛やしびれ 前屈にて症状緩和すること多い 両足に症状が出現 |
間欠性跛行の検査
まずは、神経性のものか血管性の病気か鑑別する必要があります。
閉塞性動脈硬化症を疑う場合は、主に心臓血管外科や循環器内科を受診し、脈拍の有無や足関節上腕血圧比(Ankle brachial pressure index:ABI)の測定、超音波検査、CT血管造影検査、など行います。
腰部脊柱管狭窄症の場合、整形外科での受診が主になります。脊髄造影検査やレントゲン、MRI検査で診断します。
閉塞性動脈硬化症の治療
閉塞性動脈硬化症の場合、軽度の間欠性跛行であれば、内科的治療が第一選択となります。生活習慣の改善、運動療法、薬物療法によって治療を行っていきます。内科的治療であっても日常生活に制限がかかる場合や急速に症状が進行する場合は、血行再建術を行います。
当院では、循環器専門医が診療を行っています。間欠性跛行の症状がある方は、お気軽に当院までご相談ください。